2011年2月13日日曜日

2011-02-12

  1. 東京に帰るとあまりに多くのことを考えさせられるので、言葉が出てこない。仕事、友人、知人、家族、知らない人と話してばかりのせいもある。しかも雪とは…
  2. 朝、丸ノ内線でおしゃれな茶色いマフラーをしたフランス人風の大柄の50絡みの男性が斜向かいに座っている。眼鏡をマフラーでぬぐい始めた。満足できなかったらしく指先に唾をつけてレンズをこすっている。インフルの季節に危険な行動ではないかと思うが、本人の自由意思を尊重するべきだろう。
  3. 今回は特に都内独特の白い光の洪水が目に付く。南では赤い色、濃い緑色が景色を構成する色なのだが、東京はプラスチック風の白い色だらけだ。欧州の光も黄色みがかっている。町中が薬で洗われたように退色している。優しそうな小学生達が桃色のバックを肩にして白い壁の前を歩いている。
  4. 実家でリヒテルのベートーベン、シューベルトのソナタ集を発見したので、自分のlaptopに吸い込ませてもらった。
  5. 永代通りがストレッチされたらしく、荒川河口の新しい橋に向かって滑走路のように道が延びている。淡い色のマンションが柔らかい幾何学をなして並ぶ。長い間隔を開けて高校生や大学生が一人で歩いてくる。
  6. 国会図書館、殺伐としていて知的な気配の全くない場所である。携帯電話通話場所、まで来たが、ソフトバンクのデンパサールゼロ。
  7. 自分の論文も日本の著作権法というありがたい法律で保護されて、複写制限されるのか。そして誰からも引用されなくなり、地下牢に幽閉されたまま存在を消されていくのか…
  8. 保護してくれと頼んだわけではないのに、勝手に保護して実態は地下牢に入れようとする人たち。勘違いの規制で縮んでいく未来。資本主義とは無縁の人を放っておいてもらうわけにはいかないのか。
  9. 気を取り直して新宿三丁目にラーメンを食べにいく。
  10. 図書館が本の墓場あるいは牢獄になっている様を目の当たりにして怖れを成していたためかもしれないが、丸善の一角に有った松丸本舗は確かに面白かった。機械ではなく人間がシェルフリーディングとシェルフライティングをすれば本は売れる。
  11. ところでこの丸善で去年の五月にレクラム文庫のヘルダーリン・Hyperionを買った。棚を確認しに行ったところ、予想通り補充がなかった。高橋和巳の『悲の器』に「絶学」という言葉が有る。誰かがいなくなった後で欠員を補充しない、という意味だ。
  12. 我々に新しいシステムは作れない。創造性はない。ちょっと悲しい。だがそれがどうした、とも思う。固い枠組みの中で全てを洗練させていくことができるではないか。サツマイモでさえ熟成させてみたり。
  13. 丸善では面白いレクラム文庫を見つけて軽く喜んで帰ってきた。春夏秋冬のドイツ語詩のアンソロジーだ。自分にはアンソロジー収集の趣味があるのだ。国会図書館では偶然に亡き恩師の論文を見つけた。複写が拒否されたがエズラ・パウンドのことに気づいてから飛行機に乗ることができた。
  14. アップルで借りた映画を機内で見る予定だった。日活の映画だ。30分ほど見てロマンポルノ風の展開になり、目のやり場に困り始めて停止し、podcastのdeutsche welle kinoを見る。「機内で不審な目で見られては駄目だ」と何を今更思っているのか。
  15. 暗い平野、パチンコ屋の赤い光が翼の下に見える。到着ロビーから駐車場に電話。噴火のせいで遠回りで到着が遅れた。赤い軽自動車を守ってくれている駐車場の人。洗車までしてくれているのは、ありがたすぎる。
  16. 帰宅後、娘の学級通信で驚くべき言葉を見た。学級崩壊の事態を伝える記事だ。自分はこの先生の指導力のなさが原因と見ている。娘に対する対応も実は腸を煮え繰り返させるものだ。
  17. 問題児童18人を叱った、という記事のタイトルが「これでいいのか」だったのだ。そう言われたら、「これでいいのだ」と答えるしかないではないか。西から昇ったお日さまは東に沈んでいる事実を知らないのか。バカ田大学の校歌を知らないという教養の乏しさが諸悪の根源ではないのか。
  18. もっと自信を持って他者を受け入れることができれば、お日さまが西から昇っているように見えるのだ。

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