2012年3月31日土曜日

2012-03-30

  1. 病院に薬を取りに行く。春と修羅を眺めながらうつらうつらしていた。ストレッチャーに横たわった脳性マヒの女の子に看護婦さんが話しかけている。お母さんが骨折したけどもう大丈夫かって。お父さんはもう仕事を辞めたのか、ずっと家にいて面倒を見てくれているんでしょう、偉いね、と。
  2. 何で笑ってばかりいて答えないの、喋らないと、と看護婦さんが言う。ここからは顔は見えずに黒い短い髪の毛の頭としきりに動く右手だけが見える。白髪のお父さんがやってきた。生きたまま仏になる人がいるんだな、と思う。だが、全く同じ心を持って生まれて同じ道を歩いても、修羅になる人もいる。
  3. 時差ボケなのか、処方された薬が心に働くものであるためか、うつらうつらしながら、今回世話になったオーストリアの裕福な層の友人のことも考えた。糸杉の出てくるあのメンタルスケッチに、本当の言葉がない、とか、何かそのようなことが書いてある。
  4. 自分は空気の読めない鬼と罵られて不幸で死んでも、真実を裏切りたくはないな、と思う。
  5. 不要になった会議資料、という大量のゴミを捨てた。まだ捨て切らない。明日も一日ゴミ捨てで潰れそうだ。輸入のキムチを買ってきて夜食べた。資料に紛れて臓器提供シールを共済保険証に貼れ云々の文書が出てきた。貼り付けるだけでなくHPで登録するとなおいいらしいので、明日確認して見よう。
  6. 全て提供したいし、駄目ですね、と医師が宣告してくれるのであれば、早めに心臓を止めてもらい(それは違法か)、跡形もなく摘出して欲しいと思う。だが生きている限りは22の時から書き続けている「何か」をいくつかの分冊にして世に投げ出したい。運もあるが、それはまだ十分に可能性があるはずだ。
  7. 時差ボケが酷すぎる。いつもは一日で直るのだが…早起きしなければならないとわかっているができない。生身の人と話していても、相手が数時間前にいなくなった人の幻影のように感じてしまう。眠い。
  8. 同時期に就職した知人がいよいよ危ないということで、恩師の一人から早朝telが会った。まだ電話口に出られる間に連絡してやってくれという主旨。いくつかのあてに情報を振って流さなければならないが、ポイントになるある人が捕まらなかったのを理由に一日先延ばしにした。
  9. 先送りしたかったから。一日か二日を争うのは嫌だったから。彼とは長く利害がぶつかり一時期ははっきりと敵視されていた。違う「派閥」の人。だがいよいよ死んでしまうのかと思うと、辛い。5月には行くから待っていて、としか言えないが、そこまで時間があるかどうか難しいと思う。
  10. 昨日から読んでいる哀しい小説を読みながら寝よう。明るい話を聞いたり読んだりしても、胸がかきむしられるだけだ。天気予報によれば、もうすぐ雨が降り始める。

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2012年3月30日金曜日

2012-03-29

  1. いい加減に寝ないとならないのだが、MacBookのOSを思うところあってLionに変えたりしてまだ起きている。その流れの中でnever let me goという恐ろしい映画(小説)の存在を今更知った。明日は気ぜわしい予定が続くのだが、本屋で買わないと。
  2. ブロッコリーの種とジャスミンの苗を買った。猫じゃらしの玩具が白いソファーの裏に落ちているのを見つけて嫌な気持ちになる。どこかに隠しておこうと思うが、猫が適当に砂をかけるようなことをしても何年後かには見つけてしまうはずだけど。
  3. @xtranoi 身体の巨大化だけでは飽き足らず、巨大機械を拵えてガンガンやる独系人というのは冷静に見れば漫画的では…。連合艦隊の時代に生まれてこのガンガンと闘い、さっさと海の藻屑になりたかったというのが自分の本当の夢です。色々ありますがすぐに慣れて明日からはききっと正常です。
  4. 今始めてiPhoneを探す、のお世話になった。研究室の机の上だと表示されている。今から取りに行く。飲み始める寸前に気づいてよかった。
  5. 真っ暗な部屋からiPhoneを救い出してきた。心なしか震えていた気がする。いいことをした気分だ。猫がいなくなってしまったから、端末が猫の代わりなのか。虚しいから飲み始めよう。

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2012年3月29日木曜日

2012-03-28

  1. 一言で言えば楽しくないが、離陸して上昇する時にタンホイザーの星の歌が聞きたくなり、何度も繰り返し聴いては涙が滲んできて、信用できるかよくわからない人たちの間でこの顔では迷惑がられるだろうとポケット布を探したりで忙しい。
  2. nie verriet の部分でいくら唇を噛んでも泣きたくなる。この一年、間違えたら全て失う、という局面で水色の焦点めいた結論を出して切り抜けてきたつもりだったが、多分どこかで間違えたから悲しいのだ。戻ることが許されず、前に進むしかないのが恐ろしい。
  3. これでは駄目だ、もう一度聞き直してnuechternを得なければ聖別されないぞ。黒い闇には真っ白い水がある、という呪文を唱えるんだ。説明不能のことを説明するのが自分の仕事です、風の冗談を考えたり。
  4. いや、違う、聞き直してわかったが、自分はないも間違えていないから悲しいのだ。だからどうすることもできない。このまま白っぽい崖を登って行くしかないのだ。
  5. こんなものを聴いていると身体に悪いので、バッハに変えた。iPhoneの容量を増やすため音楽ファイルの引っ越しを考えていたが、バッハは手の中に置いておかないと危険かも。ポリーニのバッハは評判が悪いけど、悪くなく聞こえる。リヒテルを良いと思える体力はもうない。
  6. 家への途中で蕎麦屋と温泉に寄ったが、久しぶりの日本の食べ物が体にしっくりこなくて、棒を口の中からぐいぐい入れられている感じだ。温泉も体調が駄目でハアハア息があがってしまい、早々に出てきた。ガランとした家に布団を敷いて夢の欠片を見ては、はっとして起きる、ということを繰り返していた。
  7. 家を持ってしまった、ということだけは人生で後悔している。他のことは後悔していない。ここにいると精神衛生上よくないからさっさと売り払いたいのだが、柱に子供の背丈の印がいくつも刻まれているのを見て、少し考えが変わる。
  8. 頭に来たから自分風に作り変えて住んでやろう。とりあえずブロッコリーの種を買ってこよう。ハーブ園も作るつもり。バラが植わっている一角の脇に長葱を植えたら爽快だろう。これから野菜の種と刺身と、自転車に乗るためのウェアを買いに行く。
  9. だがやけくそでポツンと頑張ったところで、せいぜい先送りで早晩壊さなければならないんだ。ずっと賃貸で暮らすべきだった。というか、自分のような流浪の民は持家は避けるべきだった。愛着がないと心は蝕まれるし、愛着は今度は喪失につながる。

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2012年3月28日水曜日

2012-03-27

  1. 六時の鐘もこれで暫くは聞き納めと注意深く聞く。明るい日差しの広場の写真を撮る。得るものがいつになく多かったが帰国後に明るい展望が開けるわけではない。かつては紙くずをかき集めて帰国するたびに意欲と不安が混じり合った気持ちになったものだが。
  2. ティアターナ教会の向いのライオンの鼻に五年ぶりに触って用はほぼ済ませた。スタンド風のタイ料理の店でカレーを食べる。辛い香辛料が身体にスイスイとしみるようだった。客も店員も女性ばかりで、唯一男性のサッカーの本田選手風の若者が
  3. 油断なく店内を見回して、笑わない女子ゴルフの選手風の女の子達に指示を出している。今日も不思議なものをたくさん見たが、ほとんどの記憶はすぐに消えてしまうのだろう。
  4. 真っ暗な中を鳥がなめらかな声で鳴き続けている。不吉な声なのか、明るい歌なのか判然としない。何もわからないままともかく寝床を出て、行動を開始しないと。判然としていないというのはちゃんと見えているということだ、多分。
  5. 朝SBahnに乗る時、昔の自分のような日本人の若者たちを見た。彼らがこれから抱えるものを思って目頭が少し熱くなった。もう少し頑張らないとならない。大きな進歩を果たさないまま年だけ重ねてしまったと思うとがっくりくる。だがまだ数歩くらいはどこかに転がる気もする。
  6. ヘルシンキの空港では親切にもモバイル機にチャージできる場所があるのに、うっかり電源ケーブル類をトランクに入れて預けてしまったのでがっかりしている。だが勇気を出してMacBookに留守番をさせてきたのは正解だった。iOSだけで全て用が足りてしまった。
  7. あとは指に空中遊泳をさせているようなソフトキーボードに慣れることができればいいのだけれど。帰ったらプレゼン機器に接続する部品を調達して、また実験してみようと思う。機械で気を紛らわせるなどとはいい歳をして恥かしいことだが。
  8. 今、Fin Airから出発が一時間ほど遅れます、というSMSが来て間の抜けた微睡みから冷めた。提携便への乗り継ぎでないからやや不安だが、30分もあれば入国、乗り換えできるだろう。
  9. ちょっと待ちくたびれているかも。ビールが美味しいから耐えられる。7ユーロもするのに二杯飲んでしまった。転送されて来た仕事のメールをめくっていたらやる気が出てきた。本当に情けない、仕事だけで人々とつながっている自分が。
  10. フィンランドのお世話になっているのだから今度は少しフィンランド語を覚えてこないと。向こうはさようなら、とか言ってくれているのに。ルフトハンザと違って体力で圧倒される気がしないのは何故なんだろうか。

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2012年3月27日火曜日

2012-03-26

  1. インスブルックに来て以来人の世話になっているので、自由な時間があまりない。率直に言って大変ありがたい。今からの夜もお呼ばれにあずかることになる。
  2. ドーム教会にクラナッハのマリア像があり、裏にAndenkenが書かれたカードをもらった。助けてください、見捨てないでください、と祈る言葉にいつも違和感がある。自分らには神に見捨てられる、という前提がない。
  3. 不幸で死んでも個人が死んだだけであり、魂は名もないものに変わっていつまでも存在し続けるからそれでいいのだ、結局不幸で死んだ人も長い目で見れば幸せなのだ、と考えてしまうが詭弁に聞こえるだろう。それでいいのだ、もバカボンの歌のように響くし。
  4. いや、やはり詭弁ではないな。真面目にやろう。
  5. ミュンヘン、シラー通りの大変「清潔」な宿に着いて放心している。明日は早起きしてヘルシンキに時間を潰しに行く。午前中ブレンナーの人たちに挨拶してからVilla Hohenburgに連れて行ってもらった。個人データが絡むので検索できないし、車でないと難しい場所にあった。
  6. 独りでは何も見つけられないのだと思い知った。見晴らしのいいこの城館でT君は鬱を募らせてシューベルトを弾いていた。晴れ渡ったノルトケッテを端から端まで写真に収めた。
  7. 駅のホームで日本人の勤人がいた。話しかけたらきれいに無視された。この街では怪しい文構造でずっと喋っていたのでつい錯覚をおこして、日本人は仕事上のつきあいのない日本人に話しかけてはいけないというルールを忘れてしまった。きっとコミュニケーション能力はToeicスコアと言う人だろう。
  8. しかし、このホテルのFreeSpotはすごいな。15分で締め出されるのだがデタラメなEmaiアドレスを入れるとすぐアカウントが作成される。個人情報を集めるための底引き網のような仕組みなのだろう。沢山変なアドレスを作ってからかってやろう。

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2012年3月25日日曜日

2012-03-24

  1. 三度目のInnsbruck、この街は小さいのに全く退屈しない所。常宿のペンションは以前にも増して小綺麗になっている。五年前は大きなシェパードがいたがまだ姿が見えない。その代わりに太った三毛猫が玄関の辺りをチラチラしている。明日が勝負どころなので早寝をするつもり。
  2. 確かヘッセが、スイスの小都市には全てが揃っていて、まるで開かれた宇宙のようで、小さいのにドイツより広いと感じる、というようなことを書いていた気がする。出展もいつ読んだのかも忘却の彼方である。

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2012年3月24日土曜日

2012-03-23

  1. 今朝から喉が腫れている。どこか気持ちに緊張したところがあるので発熱はしない気がしている。
  2. 何かのメッセのためらしく、ニュルンベルクに泊まれずFürthの宿にいるが、ここは30年戦争の時にヴァレンシュタインが陣を敷いてニュルンベルクに入ったグスタフ・アドルフと対峙したと聞いて急に興味がわいてきて旧市街を検分した。
  3. 飲まず食わずのままAnsbachへ。ニュルンベルクと戦っていたホーエンツォレルンの拠点。何でこんな所にホーエンツォレルン、と思うのは単に自分が無知でイメージが乏しいのだ。
  4. 即物的な作りのレジデンツの前に、フランスとの戦争に勝った、の記念碑があった。プロイセンなのか。ニュルンベルクの隣町なのに。
  5. 聖母教会でよく知っている同僚の先生と瓜二つの人を見た。歩き方も背格好も着ている服も似ていたし、中世都市で書いているから今ここにいても全く自然なのだ。だが近くで見ると紛れもないドイツ人の若者で、職人的な、自分に怒る風の後ろ姿でパイプオルガンの試奏を始めた。素晴らしい音を聴いた。
  6. ニュルンベルクに戻るため、二日続けてローレンツ教会のミサに行く巡り合わせになった。暗い街路に出て、昇天している人達をごつごつ塗り重ねた灰色の壁を見上げると、自分が今いた場所は確かにこの世ではなかったんだと思われる。

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2012年3月22日木曜日

2012-03-21

  1. 市場で買ったオリーブとトマトジュースで体力が回復してきたので、パスの手続きにZOO駅に出た。途中の電気店で壊れた電気シェーバーを引き取ってもらった。東に行きたかったのでSバーンと地下鉄を乗り継いで昔のSTASIのあったあたりで降りて東駅まで歩くつもりだったが
  2. どこで間違えたのかぐるりと一周してもといた場所に戻って来たのでがっくり。だがしぶとく地下鉄とSで東駅に。知り合いの先生が学生引率の時にここに連れてくると怖がって以後絶対服従して時間も厳守するようになる、と聞いたので見に来たのだが小綺麗になっている。
  3. だが駅舎の外に出ると戦闘服のようなものを着たおじさんたちが犬を連れて大声で怒鳴っているので、何となくほっとする。建物の外に出されてしまった、ということなのか。それにしても犬は可哀想だと思う。犬は可哀想で飼えない。猫には罪の意識を持つのが少なくてすむから。
  4. 食べる場所がなさそうなので再びSで駅舎のデザインが好きなHkSマルクトへ。ガード下のどうでもいい感じの店がありそうだったから。結局しっかりソーセージを食べる。魚でない、という違いだけでつけ揚げと同じかも。あるいはたっぷりの辛子をワガラシと見立てればおでんかも。
  5. コーヒーが美味しい。飲んだら急いで帰ってメールを書かないと。インスブルックから大変親切なメールが着いた。予定を埋めて、埋めた予定のこと以外考えないことにしよう。
  6. 考えそうになったら寝てしまうか言葉にしてしまおう。心は脳ではなく腸に宿る、と言ったお医者さんがいるが本当だと思う。感情は腸の状態の投影と思う。
  7. 朝の五時だ、lPHONE は自動的に時差を補正しているようだ。鳥が鳴いている。一心不乱にお喋りをしている。その声がだんだんと小さくなっている。家に帰ったら藤棚を作ってやらねばならない。多分鳥たちはそんなことを話しているのだろう。紫の花が日暮時に咲く、とか。
  8. 東駅を探して旧東の集合住宅群を横切っているとき、闇に沈み込むような古本屋で古い写真集を見つける。ウッドストックを観てそのまま歳を重ねた感じの長髪で折り目正しい人に7.9ユーロ渡す。路上に乳母車を置いて電話をかけている大柄な人がいる。
  9. 手の中で何か暖かいものを転がしているような、こんな景色が見えなくなったら寂しいから、仕事が一段落したら眼科にも行かないとならなかったのだ。検診で要精密なのにそのまま放置しているから検査費の無駄になっている。悪いことばかりしているなあ。
  10. トラークルがこの辺りを歩いている時、Sバーンの構造もアレクサンダーPLの外観も今のままだった。ジーメンス製の路面電車が走っていた。鉄道網の歴史はもっと知りたいが、探せば凝り性のドイツ人が情報提供しているのにすぐに出くわしそうだ。
  11. @xtranoi ありがとうございます、凄いけど予想通りですね。文献もやっぱり日本で注文できそうだし。E.ラスカーシューラーが地下鉄で東に向って真新しいホーエンツォレルン広場の駅の鷲の装飾の脇を通っていたのが、これではっきりイメージできました。ドイツ語での研究は楽しすぎますね。
  12. ベルリンという島を出ると何もない針葉樹の林が広がるだけ。街外れにオペルの工場があって兜煙突が四本立っているので驚いた。小学生だった時、犬の散歩で毎朝見ていた恵比寿の麦酒工場のそれと全く同じものが残っている。恵比寿は確か黄色かったがこれは黒い。
  13. 多分、今日も後になればそのまま戻ってきて欲しいと思う貴重な一日になるのだ。そう考えると動物園の駅のホームから見下ろすだだっ広い道に、へばりつくように走っている大量の自動車も、猛スピードで走っている黒い自転車の人の後姿も、生き物の必死さの証に見える。
  14. 二年前にゼミナールに出ていた夏の、毎日俄雨が降っていた一日一日も.そのまま戻ってきて欲しい時間になっている。実際あの時は疲れきって、きついことも多かったけれど。毎日一緒だったあの彼らと会うことは死ぬまで間違いなくない、日本人のメンバーを除けば。
  15. 国境というものはこの辺に引かれているのかな、とも思う。国際的な人が興奮を煽っても、見えない国境線はいつまでも適切な場所に引かれ続けるんだろうな、と思うと何だか嬉しい。
  16. 何もかもこのままでいいです、このままなにも変わらなくていい、地震も面倒だし放射能にも疲れた。仕事もいつか崩壊する。だが、もういいです、と思うと失うものが実は何もないのだと気付いて変革の意欲が激しく湧いてくる。何だかおかしな話である。
  17. ニュルンベルク近くの小さな街にいる。街道筋のラブホテルとしか思えない内装のホテルだ。その業態はないはずなんだが…これでベルリンの綺麗な宿の1.5倍の料金か。若夫婦は感じがいいが朝食はパスしておこう。寝具からは安香料の匂い。また飲み屋で皆を驚かせる土産話ができて嬉しい。

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2012年3月21日水曜日

2012-03-20

  1. 何週間もきっかり四時間しか眠れないのが続いている。緑地の詩を少し書いた。どれ程努力しても半歩刻みでしか動けないが、諦めないようにしよう。どこに向かっているのかがわからないから、祈ることは忘れないようにしたい。
  2. 大聖堂に行ってオルガンを聴いたり、猫の額を撫でるように水色のKuppelにとんとんと触ってみたい。助けてもらった人にお返しができて人生を終えることだけが望みである。それは夢を叶えることよりもきっと難しい。
  3. 急に階段を転げ落ちるように心の傷が開き始めたと思ったら、何の事はない、駄洒落を言うつもりはないのだが、腸の調子が悪いようだ。この五年ばかりで急激に体力が落ちた。焦って抵抗してもかえって苦しくなるだけだろう。坂道を転げ落ちることを楽しむ感じでベットで背骨を休めている。

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2012年3月19日月曜日

2012-03-18

  1. 先日ある同僚と話をしている時にうっかり忘れてしまった、何故カウンセリングの勉強を始めたのかを。気がきかない。次は忘れないようにしよう。それにしても何故今朝、彼のことを思いだしたのだろう。
  2. 空港に登る坂道で雷雨になる。いつもと同じ坂道と飛行機だけど、今回はかなり違う。登ったまま、もう降りない登山というか。それでも前進する以外に道はついていない。不気味な豪雨だが、この辺では雨は島津雨といって縁起がいい、と一昨日知人が言っていたのをまた思い出した。
  3. 機内でうつらうつらしていたら小さかった息子の空手の稽古の様子が脳裏に浮かんで、はっとして目が冴えてしまった。娘に何かをしてやった記憶が乏しい。練習曲は避けて、ノクターンなどの入ったCDに注文を変更しておいた。同じポリーニで。

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2012年3月18日日曜日

2012-03-17

  1. 雨がまとまって降っているようで、車がたまに通るとびしょびしょの路面が目に映る盛大な音が響く。音が大きいのも寂しいものである。声の大きな人の心も寂しいのだろうか。昨日少しバッハを聴きながら仕事しただけで、頭の中は平均律の旋律で一杯になり、ピアノが鳴り止まない。
  2. 荷造りしなければならないのだが、猫がのどを鳴らしてまとわりついてくるのでままならなかった。家の中が変わったので不安なのだろう。猫は賢い。死んでしまったもう一匹を思い出した。お漏らししたのを謝りながら死んでしまったと家内が言っていた。
  3. 泣き言は言わずに矛盾と孤独に耐える以外にないのだろう。猫は人より速くいなくなってしまうが、賢いからすぐに生まれ変わってくる。これもかみさんが言っていた事で、その通りだと思う。多分どこか知らない場所で、すぐに生まれてくる。
  4. 計画停電とか言っていたけれど、寝耳に水だったが…電源も入らないしネットワークも遮断なので手も足も出ず、結局複合プリンタをケーブルからもぎ離して自宅に運び、航空券や予約確認書を印刷する始末。回線が切れると何もできなくなる恐るべき脆弱さ。
  5. このせいで疲れ切って、まだ荷造りしていないのにビールを飲み始めている。明日も機内で昼酒なのに。
  6. 鬱でない時にはふと思うのだった、自分が書きかけている何か、を書き残すことだけを考えて人生を終えればいいのではないかと。その何かをはっきり持っていることだけで、随分と恵まれているのではないかと。

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2012年3月17日土曜日

2012-03-16

  1. 今日はコマネズミのように働いた。泡立つ赤ワインを飲んで寝ようとしているところ。いつものように教えている振りをして教わっている。男の子はなぜ追いつめられないと生命に目覚めないのか。追いつめられていないと駄目なのか。そして追いつめることがいかに難しいか。
  2. 自分も慌ただしさに逃げているだけで、本当は追いつめられてはいない。生命力は、置かれている状況とは無関係に、周期的にやってきて周期的に去っていく。
  3. 河原一面が黄色い菜の花で覆われていた。遠くから見ると柔らかい毛皮のように見えた。暖かい雨が降っている。娘の卒業祝い用にポリーニのショパンを注文したが、よく考えると場違いな選択に思えてキャンセルをしてみたところ。
  4. 吉本氏が亡くなったのか。最近また何かに噛みついていると聞いたから元気なのかと思っていたが。先行する人たちがどんどんいなくなっていく。

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2012年3月16日金曜日

2012-03-15

  1. 本当に飛行機に乗れるのかな…いつもこうなるんだが、今回はひどすぎるぞ。零時過ぎに帰ってきたんだが明日は朝から晩まで会議、明後日は式典続きだから、本気で3日連続ほぼ徹夜になってしまうぞ…どうして自分は尋常な生き方ができないんだ…
  2. オーストリア宛には国際郵便の速達がなかった。ほぼ隣町なのに。欧州のこの多様性は素晴らしいと思う、皮肉ではなく。だが、たったの110円の普通郵便になってしまったことで、万事休したかも知れない。
  3. 田舎の街なのにどこを見ても思い出がこびりついていて辛い。何かのアプリにあったが、グーグルストリートビューの画面に文字を落書きしていくのが。文字がびっしり書き込まれた風景。辛い気分であれば忘れるのが精神衛生上いいのだろうが、それもいいのかどうか。
  4. 辛いのは過去のその時間に深い意味があったからであって、それ故消すというのはどうかと思う。比喩の力で和らげながら、何だかよくわからないがその大事な何か、というものをずっと留めておくのがポエジーの役目なのだと思う。今日これからの体験の全ても、自分の人生にとって大切な何かになるだろう。
  5. 今から分刻みで予定に追われて夜になる。その何か、というのは当事者を傷つけるものかもしれない。だが助けることもあるから、害虫駆除のように消すわけには行かない。当事者には不可知の時空間で誰かの役に立つのかも知れない。

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2012年3月15日木曜日

2012-03-14

  1. 経緯は省くが面白いことを思いついた。何も教えない授業。面倒を見すぎて駄目にしてるのではないかと思う。質問されたら喜んで答える、でもいいのだが、間違っててもいいからまず自分でやってみて、と放り出しておく過程がないとまずいはずなのだが。ちょっとある方法を思い出した。
  2. この大変な状況下で確定申告までしている。バカなので数千円の追加の税金をこれから払いに行くところ。それにしても去年は子供の控除が外れたせいで納税額がすさまじく増えたことに気づかされた。税金で収めた分が「子供手当」として返ってきていた、ということだ。
  3. 人からお金を取って、それを「手当です」と言って返してきて「有り難がれ、俺達政治家凄いだろう」と言うわけ?何一つ生み出すことがない無駄なお金の空転のために膨大な数の人が働いて組織を動かし、人件費が空費された。あほらしい。

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2012年3月12日月曜日

2012-03-11

  1. andenkenという言葉は確かに悪くない。元気がでるわけではないが、ぐるぐる回っている間に何処かに漂って行ける気がするから。
  2. @xtranoi 大変ですね。胸が痛みます。日本も一枚岩でないと週末学びましたが生々しい話なのでTweetできないでいます。同化をよしとする日本に重苦しさを感じる時もあるけれど、それはそれでいつまでも他者のレッテルを貼られるより緩い気楽さがあるのかも知れません。
  3. @xtranoi それはそうと、教えてもらったJenkinsの合唱は削除されましたね。自分が繰返し聴いたせいなのかも。
  4. 自分も頑張らないといけないね。来週日本を離れて、自分が冷たいチロルを震えながらうろついている間に家族は市内に引っ越している。六年後に娘が大学に行くあたりでこの家に戻ることはないはずだし、息子は上京だろうから、家族がこの懐かしい家にいる時間はあと1週間もない。
  5. この1週間の時間は自分は賞罰書類作りに追われて渡欧の準備すらままならない間に消えるだろう。息子が生まれてから13年間、寝る間を惜しんで走り回った時間は一体何だったんだろう。津波よりだいぶましだ。1週間も時間があるから。でも突然不意にふっと何もかも失うことは同じ?
  6. いや、違うな、甘い、市内にふっと行けばいいんだから。だがあの坂、登れないからな。電停から曲がりくねる樟のある坂。登ることが出来ない理由がある。この5年間に何度も繰り返してきた心の最大マグニチュードの激震が、まったく同じ形で繰返し繰返し今、押し寄せてきているだけだ。
  7. 家族がそろってこの家にいることは間違いなく二度とない。仕方がないのだ。人生とはそういうものなのだから。驚いていても仕方がない。ある日急に失う。失う日が来るとわかっていても、備えることは出来ないから辛さが減りはしない、その日のために構えていても。
  8. じたばたしても同じ結果が来るだけだから、我慢していようと思う。それにしても撮り溜めた写真は胸が痛くなるからとても後で見ることができないとはどういうことなんだろうか。思い出作りって無意味?いや、多分、きっといつか撮っていて良かった、と思う日が来るのだろう。
  9. 愚かだからその「いつか」が来ることを想像できていないだけなんだ。失うのとは逆の「いつか」が多分草のように生えているのだろう。草はここにないが自分の知らない場所で今細い根を動かしている。そんな草はない、と言い切るのは思い上がりで、慎まなければならないのだろう。
  10. しかたがないね。ともかく深呼吸して耐えて、時間が経つのを待つしかない。考えても事態は良くならない。

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2012年3月11日日曜日

2012-03-10

  1. 鬱の泥沼の底であぶくを吐いていたら訃報を見た。この人のところには行かなければならない、という人の身内だった。スイッチを入れて鉄アレイを振り回すように勢いをつけてtelで段取りする。車が壊れているので乗せて連れて行ってくれる人を捕まえないと、ということで。
  2. そういうわけで夜、赤ちゃんが乗っていますステッカーの同僚の車に申し訳なくも乗せてもらって九州道を南下して南薩に行って帰ってきた。昨日、「痴呆が酷く、施設にお願いしたが帰りたがって」という話をしていた直後だったので「何かあったのでは」と胸騒ぎがしたが杞憂でふわっと大往生したらしい。
  3. 夜霧が立ちこめる半島の尾根道を、噂話をしながら走ってきた。国道の左右は闇夜に白っぽく沈む森。明日は別の人の車で告別式に行ってくる。自分は形が多少壊れているとしても、気にせず心のままに生きるつもりだ。
  4. グリーン地帯の詩が観音崎の風景描写になりそうな気配。あと1週間で飛行機に乗るのに先方にメールが書けず、ユーロも買いに行けない焦り。
  5. ところで先週あたりかSpiegelで週末フクイチボランティアツアーを批判的にルポする記事を読んだ。「外国の立派な雑誌に揶揄される日本はやはり駄目」と考えることはあり得ない自分であるので軽く不快だったが、
  6. 読者フォーラムで記事にダメ出しの意見多数を読んで改めて、「読者の反響を含めて初めて1記事」と見做して構成する姿勢は立派と思う。自分は日本の悪夢は洗脳マシンである質の悪いマスメディア由来と思っている。
  7. 人の死に触れていると、この世のことは本当に夢に過ぎないのだなと思う。悲しむ暇すらない短い夢だ。脚を引っ張り合う人たち、汚染されて人が減っていく島、妙に白っぽい太陽、助け合う人たち。

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2012年3月10日土曜日

2012-03-09

  1. 喋りすぎた飲み会の後、迎え酒を舐めながら詩を書いている自分の性質を心の底から呪う。雨をたっぷり吸って真っ黒くなった革靴が玄関に転がっているはずだ。
  2. 独りでいるのが辛いのに一人でいても十分大丈夫という性質が疎ましい。勿論罰をうける理由はある。鯵の肉はぬるく切ってあり、千切った大根は水色、言葉は適当で言葉はこの世に留まらない。
  3. メールの返事を書きたくない。疲弊しているが単に飲み過ぎだろう。車が無くなって歩き続けているので、脚がくたびれたのかも知れない。老人から軽トラを奪うとたちまち寿命が縮まる、というよく聞く話をありありと体験している。
  4. 昨日どういう脈絡か忘れたが、知命が話題になった。今まで人に頼りすぎて来たような気がする。だが一人の存在は無力で、これからはもしかするともっと人に頼るのかも知れない。みっともないことこの上ないが、所詮自分などそんなものだと諦めるしかない。
  5. 太陽が久しぶりに出てきたが、明るい戸外に出たくない。いつになく重い鬱なので、じっとしているしかない。放っておけば自然治癒して、根拠なき希望が湧き上がってくることを知っている。焦って心をいじくろうとしてもどうにもならない。
  6. 自分の気持や感情、願いや断念などを見誤らないように見て、それらが移り変わったり波立ったり色合いを変えたりするのを観察して、長い時間の後に消え去ったり寛解したりするのを眺める日和見の釣り人の感覚になっている。これも知命のうちなのだろうか。

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2012年3月9日金曜日

2012-03-08

  1. 雨ばかり。歩き疲れた。天気がよければ歩いて出勤していい距離なのだけど。車がないと田舎の街は大きすぎて手も足も出ない。
  2. 昨日保険会社に電話してレッカー車を頼んだが、ディーラーが休みだった。どうせ捨てろと言われるのも癪だし、ということで近くの電装屋さんに電話して直接持ち込んだ。こんなことも通信で情報が得られるからできる。九州で最初に売れたという赤のバモスを捨てたくない。

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2012年3月7日水曜日

2012-03-06

  1. キリマンジャロブレンドと無名のブレンドと、前者が100円高いので飲んでみたがあまりおいしくはないという点では一緒なので次回からは安い方でいこうと思う。目黒駅前に珈琲野郎という店があって親がキリマンジャロが好きでよく飲んでいたからつい買ってみた。その後、貴族や男爵もあるのを知った。
  2. 枝垂れ桜が咲き始めている。彼岸桜もちらちら咲いている枝がある。運転中の遠距離用メガネで見ると、ずらりと並んだ駐車場のソメイヨシノの木肌や枝先で、奥に桃色を含んでいるのが滲み出してきている。今日は新入学生への説明会なので黒っぽいスーツを着ている。
  3. 昔のカントの伝説のように、毎日ぴたりと同じ時間に図書館に来て新聞を読んでいる人がいる。肩に力を入れて肘を固めた腕を不規則に振るようにして歩いている。鎧を着て身を守らねば、と考えているのだろうが柔らかい腹部が開いたままなので不自然に見えるのだろう。
  4. 鎧で身を守ることは難しい。防御とは動き回る姿勢のことだ。その体勢は攻撃のための構えでもある。全てを捨てることができるという思想を確立した時に攻撃力も防ぐ力も最大になる。桜の木を観察したため、多くの人を間違えさせることもした古いイメージが目の前をかすめて飛んでいった。
  5. バモスが動かなくなってしまい、歩いて帰ってきた。オルタネーターが壊れたのだと思う。大変なことになった。

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2012年3月5日月曜日

2012-03-04

  1. 映画は質が悪すぎて驚いた。ただ、東京の風景を映した映像は美しかった。忙しいからちょこちょこっと作りました、と言いたげな伏線ゼロの漫画的ストーリーが侘びしかった。
  2. 妙なカルト宗教の詐欺師がニーチェの悪口を言っているぞ。読んでないのに悪口が言えるとは。学者の読者は三人程度と相場が決まっているが、その三人のために正しく読むことによって世界は没落から救われているのだ。
  3. 夜ガレージで靴を磨いた。安物の靴でもこすってやると変化色の光を放つから面白い。ほぼ毎日、安物の焼酎グラスが曇らないように、やや湿る程度に布巾で乾かして手入れしている。毎日植物に水をやる楽しみに似ている。仕事場でVittelを飲むために買った安いガラスも丁寧にしてるからピカピカだ。
  4. 物を増やさずに気に入った物だけを置いて、メンテナンスしながら暮らすのが楽しい生き方なのでは?そんなことされたら経済が萎むから捨てて買い替えて、と車の営業の人が電話攻勢してくるが、ずっと持っていたい、手入れしながら、というものを拵えて高い値段で売ればいいのに、と思う。

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2012年3月4日日曜日

2012-03-03

  1. 春の雨が降っている。暖かくはないが寒くはない雨。夏水仙のつぼみが膨らんでいる。一年に二度も花を咲かせるのか。自分は気管支炎がひどくなるばかりで呼吸が浅くなっている。
  2. 疲れが溜まって頭が動かない気がするので、下の名前で馴れ馴れしく話しかけてくるiTunesさんの勧めに従い映画をレンタルした。若い殺し屋が主人公の映画。

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2012年3月2日金曜日

2012-03-01

  1. 明け方不安に苛まれた。だが不安に駆られて大声で言い合いをしても、声を荒げても絶望が減るわけではないと諦めて、静かに話し合いをしても変わらない、最後に声を上げても最後に沈黙していても、最後の日は最後であることに変りはないと気づき、最後の最後まで声は荒げないようにすると改めて決めた。
  2. 人の心をのぞき込むことが続いた一年間だった。昨夜も疲れ切っていたが、こいつをこのまま帰したらまずいだろうと決心して10時近くまで話をさせた。男の人は既に子供の頃から仲間内での面子に全てをかけている。一所懸命という言葉が脳裏に浮かんだ。嘘を暴かずに無視してやることも大切だと知った。
  3. 懸命に生きている他者の魂を見ると少し胸が熱くなり、自分の魂はまた摩耗して「俺は壊れる方向に向かっているな」と確認しハンドルを握った。腕立て伏せをすると腕は太くなっていくのではなく細くなっていく感覚がある。
  4. 日々、人の心の奥深さ、パイの生地のような多層さに驚き感動しているが、その感動は自分の心の糧にはならずヤスリのように心臓を削る。何かを間違えていることがわかるが、正しい選択肢もないのだともわかる。
  5. 未来へのパースペクティブがないと生きられない、という主張ももっともだと思うが、たとえ全てを失っても草の庵でもあんで植物を見て詩を書くだけで十分幸福であり、時折書いたものを持って友人を訪ねてお茶を飲むこと以上の幸せはない。だが、それは無責任な男の勝手、という批判も正しい。

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