2012年3月29日木曜日

2012-03-28

  1. 一言で言えば楽しくないが、離陸して上昇する時にタンホイザーの星の歌が聞きたくなり、何度も繰り返し聴いては涙が滲んできて、信用できるかよくわからない人たちの間でこの顔では迷惑がられるだろうとポケット布を探したりで忙しい。
  2. nie verriet の部分でいくら唇を噛んでも泣きたくなる。この一年、間違えたら全て失う、という局面で水色の焦点めいた結論を出して切り抜けてきたつもりだったが、多分どこかで間違えたから悲しいのだ。戻ることが許されず、前に進むしかないのが恐ろしい。
  3. これでは駄目だ、もう一度聞き直してnuechternを得なければ聖別されないぞ。黒い闇には真っ白い水がある、という呪文を唱えるんだ。説明不能のことを説明するのが自分の仕事です、風の冗談を考えたり。
  4. いや、違う、聞き直してわかったが、自分はないも間違えていないから悲しいのだ。だからどうすることもできない。このまま白っぽい崖を登って行くしかないのだ。
  5. こんなものを聴いていると身体に悪いので、バッハに変えた。iPhoneの容量を増やすため音楽ファイルの引っ越しを考えていたが、バッハは手の中に置いておかないと危険かも。ポリーニのバッハは評判が悪いけど、悪くなく聞こえる。リヒテルを良いと思える体力はもうない。
  6. 家への途中で蕎麦屋と温泉に寄ったが、久しぶりの日本の食べ物が体にしっくりこなくて、棒を口の中からぐいぐい入れられている感じだ。温泉も体調が駄目でハアハア息があがってしまい、早々に出てきた。ガランとした家に布団を敷いて夢の欠片を見ては、はっとして起きる、ということを繰り返していた。
  7. 家を持ってしまった、ということだけは人生で後悔している。他のことは後悔していない。ここにいると精神衛生上よくないからさっさと売り払いたいのだが、柱に子供の背丈の印がいくつも刻まれているのを見て、少し考えが変わる。
  8. 頭に来たから自分風に作り変えて住んでやろう。とりあえずブロッコリーの種を買ってこよう。ハーブ園も作るつもり。バラが植わっている一角の脇に長葱を植えたら爽快だろう。これから野菜の種と刺身と、自転車に乗るためのウェアを買いに行く。
  9. だがやけくそでポツンと頑張ったところで、せいぜい先送りで早晩壊さなければならないんだ。ずっと賃貸で暮らすべきだった。というか、自分のような流浪の民は持家は避けるべきだった。愛着がないと心は蝕まれるし、愛着は今度は喪失につながる。

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