- 先輩を思い出した。「今ではそんなことできませんが昔はおおらかだったので早めに仕事を切り上げて帰る道すがら、いつも磯で海に浸かって泳いでおりました。さっさと魚を食べて呑んでさっさと寝てしまい、三時に起きてそれから勉強でした」
- この人と下関の市場を歩いた時、大きな鮪のブロックをクール便で送ろうとしていた。自分が目指していた理想の生き方だが、どこかで間違えてできなくなってしまった。火山のへりを火山が静かな間にそそくさと歩いて鮪を切る。汗をかきながら木綿の中で寝る。
- ワインにも心惹かれるのだが、やっぱり魚を舐めたら日本の酒なのかな。北陸道の渋い日本酒とか、砕いた氷と軽く混ぜた芋焼酎とか。重いビールも美味しく、思い出すだけで震えるが気候が違うから。
- 明日の昼御飯は寂しいからラーメン屋で焼酎を頼んでみよう。あるかな。インターネットにメニューがでているのたろうか。昆布だし鳥スープとキャベツと焼酎。埋め立て地。黄色い雑草とアップルストアの看板と鳶が巣をかけたコンテナ。
- 次の会議出られません、のメールを見て、転がっているボールを見た気になった。我慢していたが来週は話を聞いてくれる人に声をかけて飲みに行こう。我慢してよくなることは殆ど見た記憶がない。
- @xtranoi 腕は大丈夫ですか。休ませろ使うなというメッセージに見えますがそういうわけには行きませんよね。自分の場合体調不良は無責任モードに気持ちを置いて調整しますが、無責任な男親の手口ですね。罪の意識を感じます。神経にはハーブが効くらしいのですが…
- 平静を保つ方法の本で一棚出来ていた。とっさに怒りを静める方法、の一冊を手に取る。取りあえず波風立てずに問題を先送りにするべき、という趣旨だ。だが批判するばかりでもいいのか、とは思う。問題は決して解決しない、と強く信じているのは聡明さなのかもしれないのだ。
- 水色の歩道橋を渡った。子どもたちが通った幼稚園の園庭にあった大時計の文字盤の色だ。後で嘘だったと傷つくのに、何故ありもしない理想の世界について語って聞かせたのか。自分も全くリアリストではない。歩道橋はトラックに揺すられていて暑い。
- 眼下に橋の名残があり川があった。護岸工作されドブになった川だ。安っぽい赤茶の石垣の至る所からベロのような長い草が伸びている。少し前までは湾に注ぐ清流だったはずだ。私はドブの近くに住んでます、と考えずにすむように、歌で聞いた謎の心や形で頭を満たす必要があるのだ。
- 堤防の上面のエッジが削れていて、白い線が彼方まで、座っている自分から離れて伸びているように見える。緩く小刻みに震えながら伸びている。海の底に白っぽい箱が沈んでいる。堤防脇の巨大な作業場で、独りぼっちで働いている菜っぱ服の人がいる。
- 南国の昼酒を醒ますためにまた温泉場へ。露天風呂に接してプラスチックの寝椅子がたくさん並べてあり、裸の殿様たちが寝そべったり、防水の箱の中のテレビを見たり。いつも同じイメージで申し訳ないが、この風呂屋の情景を見ると国会に似ていると思う。
- 何か違うな…「ありもしない理想を言って嘘をついた」となじられ、「嘘じゃない」と言い返すためだけに何かを作ろうとする…「だからいいじゃないか」とは言えないな。多分どのような作品も、神への捧げものであって人とは無関係だからだ。
- 男の子が熊笹の植え込みをじっと見ている。人工の自然にも虫が飛んでくるのだろうか。片方の肩甲骨を吊り上げて、身構える猫のような構えだ。攻撃は間違いなく破綻する。彼はそう考えて小走りに立ち去る。この世界に正義は必要ないと自分も思う。
- トタンの外壁をレモンイエローで塗った工場がある。屋根にびっしり灰が積もって濡れた苔が生えている。人の気配がない。ネクタイをしめた人が機械の分解掃除をしている気配がない。ブロック塀の空気抜きの穴を網で塞いであるが、鼠のせいなのか全て食い破られている。
- こういう場にいるとすれば丸首シャツに無精ひげの痩せた男で、日がな一日発熱していて体力を消耗している。人ができるのは生活だけであり、地上に何かを打ち立てることは出来ないのたろう。この男は手探りしながら何かぶつくさ言っている。目が見えないのかも知れない。
- 丸首の男が熱にうなされ見る夢には禿げた牧師が出てくる。「愛する者への奉仕に見返りを求める人はいない。人が無償の愛に駆られるのは、この世に何一つ積むことが出来ないと知っているからだ。願いが叶うことはない。神の国でのみ報われるということを受け入れているからだ」
- 素面に戻って改めて思うが、市内のカフェに集う50越えの女性たちは何故ゆとりの表情なのだろう。毎日目一杯で全く余裕なく、余裕ないまま倒れてしまいそうな自分と自分の関係者なのに。本当にどこで間違えたのか。
Powered by t2b
0 件のコメント:
コメントを投稿