- 後輩を庇っている先輩。まだ弱いだけで強い男になるんだろうな、とわかる。だが自分が対価としてプレゼントできるのは試練だけ、という因果を呪いたい。よしよし、と許すことも安住の地を保証することも父親役には許されない。安住の地とは墓のことでしょう。そんなもの欲しくはないはずだし。
- 一日も早く絆を断ち切って、自分一人で生きることこそ男の子が幸せになる道なんだと自分はよく言う。本当は俺との絆は残せ、とつくずく言ってやりたいが、言ったらおしまいだ。
- 汗が流れる。夏になった。絆を断ち切る派の心の冷たい自分も汗をかいている。白い紙の上に朽ちた吸い殻が並べてあった。感謝して片づけてくるべきだったが、その時自分は何かの怒りに駆られて急いでいた。我に返れば、何故手伝わなかったのか理解できない。
- 廊下を走ってはいけないのに、時々我を忘れて走っているときがある。こういうのは、いったいどういうことなのだろう。度量が小さいのは思考が不足しているからだろう。そう言いながら彼は、一瞬立ち止まろうとしたが、結局そのままどこまでも同じ道を走って行った。
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