- 日暮れ時、三年生くらいの男の子が、血相を変えて猛然と走ってくる。歩道の真ん中に、主のいないランドセルと巾着袋が白い腹を見せて放り出してあった。生真面目な性格なので、必死に忘れ物を取りに教室に向かったのだろう。電信柱が少し傾いている。
- 春先のような暖かな気温の日だった。早朝に高速道路で事故があり、渋滞で同僚が到着しなかったので朝のミッションのいくつかをキャンセルした。桃色のボタンダウンのシャツを着ている。調布にいる頃に買った茶色いジャケットは、生地はしっかりしているが形が崩れかかっている。
- 鹿児島を南下して谷山の手前まで来ると、国道と平行する鉄路の向うに住宅地があり、半島の濃い緑の山に接している。その踏み切りを越えて細い生活圏に分け入ると、どんな風景が見えるのか。黄色い小さな電車がやってきて、生々しい諧音が広がる。
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