- 人間の一人一人をイクラの一粒一粒に見立ててみる。皮を破ると「私だけが生き残る権利がある」と怒鳴りながら茶色の液が流れ出てくる。あるいはゴキブリのように触覚の長い黒い昆虫かもしれない。数千万のゴキブリがびっしりと満員電車に乗り込んでいる、黒っぽい都市の夜景。
- 耳を澄ませるとこの黒い昆虫には鳴声があるようだ。シティまたはシチという音を腹部の何かの器官を震わせて出しているようだ。隣人愛とはこの触覚が蝟集する都市を丸ごと愛するということであって、「冷え冷えと放射性物質に汚染された君」を池袋あたりで愛することとは違う。
- 今日マタイ受難曲が遠くて聞いても何も感じることが出来なかった。先日までサンチアーゴのサの時を聞いただけで感涙が溢れてきた原罪意識が認識の彼方に消えた精神状態。母が「妹はマイナスドライバで脅す男に売られて、ダンプに乗せられて岐阜の方に連れて行かれたから可哀想だ」と言っていた。
- この精神状態の方を維持するべきかな、と思う。軽々しく歌を歌いながら人を愛するべきではない。人を悪意の袋と知った上で愛することと、自分にただ甘いだけであることとは雲泥の差である。
- 山を歩きたい。森林限界の上の道を行きたいのだが、入山規制中だ。
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