- 寂しい思いをするくらいなら、生まれてこなければよかった、と思う。同じように同じくらいの寂しさを抱えた人に、何もできない。それで余計に寂しくなるから、やっぱり生まれてくるべきではなかったと接続法2式を使う。
- 小学校の入学式の日に、生まれて初めて満開の桜を見た。スナック街から学校の正門に上るスロープが、桜の花明かりに照らされていて驚愕した。臨海公園からこのスロープを迂回して、潮で錆びたシャッター街があり、暗い弓矢を飾る神社がある。境内に上る石段に坐っている人がいる。
- 期待も希望も幻想もとうに持っていないのにもかかわらず、何故彼が座り続けているのかがわからない。揚げ句の果ては立ちあがって、日暮れの水のような法的な行動を取ろうとしている。何故非市民的な暴力に走らないのか。多分彼が独りで完結して座っている人だからだ。
- 情けないことだが、本当に毎日ぎりぎりで、紙一重のところで生きている、顔には出さないようにしているけど。こんなに腐っているのにまだ人の役に立つ可能性がある。ふざけた話である。使用価値というものは幸せとは無縁のものだ。自分は使用価値と見られるだけで十分である。
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