2011年9月13日火曜日

2011-09-12

  1. 植物の中でも背の高い樹はよく喋る気がする。ブロック塀の上を横歩きて近づいてくる猿的動物を見て彼らは一様に驚いたり笑ったりする。高い枝に向かって体重をかけると受止める木もあれば揺れて拒む木もある。葉を刈ると様々な匂いを放って、怒ったり諦めたり、この行為の意味を問うたりしてくる。
  2. 大人しい樅の隣にいるカイヅカは暗い性格だと思う。放っておくと悪魔的な炎のような姿になる。しかも巨大に。そこで過労とすると妙ちくりんな針を目茶苦茶刺してきて結構痛い。批判されると怒鳴り返す自分の性格に近いかもしれない。葉を風に揺らせたり、陽光を反射させたりして天気について雑談。
  3. 年金暮らしの寡黙な老夫婦よりも、植物の方がよく喋ると思う。地上から人も動物も消えた後の世界、植物達は消えた人間達のしてきたことを元気よくおしゃべりして、笑ったり歌ったりしているはず。人の言語が消えるだけで世界は色と匂いに満ちて、賑やかな言葉と音楽が鳴り渡っているはずだ。
  4. かねがね思っていたのだが、心は植物のように生まれた場所を死ぬまで動かないはずだ。肉体と思っているものは実は植物の花粉かアロマの成分で、風に乗って遠い場所まで飛んで「心」という植物の知り合いの植物の様子を聞いたり挨拶を送ったりする。我々動物は植物が通信する時の電波のようなものだ。
  5. 動物は自分が自立した存在だと思い込んでいる。生まれて苦しんで死んでいく動物の世界。植物はその世界を仮象と理解していて、小さな画面の中で動物達の悲喜こもごもの人生を同情しながら見ている。あるいは電磁気学の教科書を読んで、自分たちの言葉が動物の身体を使ってどう飛ぶかを学んでいるはず。
  6. 時間に少しゆとりがあったので、先週も何度かした遠回りの出勤。引越した気分に少しなる。駅の近くの踏み切りを渡ってみた。真っ黒に塗装した特急列車が、乗客をほとんど乗せずに、ゆっくりと目の前を横切っていった。
  7. 今はもう作っていない日産のピックアップトラックに乗っているおじいさんがいる。はち巻きをして力強くハンドルを切っている。汚れた古い冷蔵庫のような車が、すいすい働いている様子を見ると気持がいい。丁度火山が噴火をして、北の黒い斜面を小さな火砕流が這っている。
  8. 古くなって赤茶けたカリフラワーのような噴煙が、ずるずると回りながら空に上っていくのが見える。ジェームス・ブラントが甲高い声で歌っている。少し走ってみると噴煙は上昇してにじんで拡散して、17世紀の風景画にあるような普通の雲になってしまっている。観察しているのは自分だけ。
  9. 海に近づくと、風が強いらしく火山灰は上昇する形のまま南にスライドしていて、海面上から渦を巻くようにして上っているように見える。昔の男の人は子供をじゃらすために煙草の煙で輪を作って飛ばしていたが、大きさが違うだけで同じ煙の輪。そういえば輪を吹いている煙草の人を最近見ない。
  10. mixiって怖いですね。潜水艦が敵を探すのにピコーンという音を出す、その探信音が打ち込まれてきた。さすが日本人が作った世界だけあって、村の寄り合いにシカトこいているのは許さない、という仕組みがあるとは…面倒くさいからエンジン切ったままじっと沈んでおこう。狸寝入りだ。
  11. 面倒、というのも乱暴な表現だ。同調圧力の臭いがしただけで自分は逃げる本能がある、ということだと思う。我が人生は終始一貫して同調圧力からの逃亡だったと見れば全部説明がついうてしまうかも。単純すぎて寂しい。好きなことをしているんならそのままやらせてあげたい、というだけなんだけど。
  12. OCRソフトのアップG版を入れた。ディスク一枚なのに大きな箱に入っているのに驚く。生ウニの上げ底を上回っている。旧版の箱の重さにも驚く。当時は箱に分厚いマニュアルがびっしり詰まっていたのだ。昔を少し思い出したが、ユーザー登録時に使った自分の名前は忘れた。私は誰?とメーカーに訊く。
  13. 昔から薄々感じていたが、最近はっきりわかった。シビアな現実を見たがらない人はカムフラージュのつもりだろう、やたらとボクは現実主義と言っている。本当は現実を見れば見るほど、そのあまりの生々しさに触発されて、夢想、幻想が濃くなっていくんだ。

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