2012年6月3日日曜日

2012-06-02

  1. 昨夜も寝所の中で自分がどこに向かって流れているのかわからない、という気持ちにとらわれて思考が停止している状態。池の中央に流れついていて行き先を失っているような気分。鴨の類いであれば真上に飛び上がることができるだろう。
  2. 今日は息子の誕生日のために何かを探しに行く、という大事な用件がある。目的地、エクスキューズ。空を見ているが多分雨になる。雨の道をすり減ったタイヤで走るのは楽しい。
  3. クローン人間の人が人生を回顧する小説があって、淡々と消えていくようなその話の流れを眠れない明け方に思い出していた。前世紀の芸術のように華々しい結末に向かう物語の典型を考えるから疲れるのだろう。誰の一生も未解決のまま不意に消えるものなのだろう。
  4. 朝、市内に入ると火山灰が渦巻く街の景色だった。灰色に霞んだ大通りを微かに錆びた白色の路面電車が横切っている。女の人達が灰よけのために傘をさして歩いている。観光気分が抜けないよそ者の証拠で、この景色を見たら少し嬉しい気持ちになった。遠いところに今、逃げているんです、という気分。
  5. 今日、パスケースを見て申し訳なくなった。自分はその厚意に対して何も返すことができなかったし、これからもできないだろう。その美術の先生は、組合員だからどこか僻地の学校に飛ばされたんだ、と大人たちが言ってるのを聞いて傷ついた。アカは抹殺ねえ。馬鹿な時代だったが今も同じなのか。
  6. 暗躍していた保守系市会議員だか町会議員だかは、更に悪辣なことをしたらしく今は刑務所にいるらしい。保守というのは神の国の正義に殉ずることなのにね、私利私欲ではなく。ところで自分は記念品などをもらう資格のない生徒会役員だったと思う。
  7. 男女「下」だけ脱いで短パン・ブルマーで朝の掃除、という命令に変態性と傲慢を感じて怒り、生徒会を強引に動かしてその規則をやめさせてしまった。当時から根回し力と謀略力はあった。下だけ脱いでの剣道の先生は銀色に光る刃のない日本刀を掃除中振り回して我々を怖がらそうとしてたな、そういえば。
  8. 学校群制度の元、志望校に進めず新設校に飛ばされたのは内申書で報復されたんだと噂されてたけど、本当だったのかは証明できない。だが自分も子供だったから少し怖くなった。「組合」等に身を置いても世界は変わらない気がした。爆発するのは社会の中枢に入ってから、と考えるようになった。
  9. こんな昔話を考えてキーホルダーに触っていたら知人に会って驚く。というか正確にはその人はひどく驚いていたが、自分は半ば放心していたため冷んやりした暗い表情だったのだと思う。人を狼狽させたことに気づいて無性に悲しくなって狼狽が自分でも始まる。「あれ、ここはどこでしたかね、一体」とか。
  10. 自分の人生の成功、不成功などは神の目からみればどうでもいい話であって、どうせ近々死ぬのだから人には自然に微笑んであげるべきなのだ、今地獄にしゃがんでました、という顔ではなく。
  11. その人には明後日会うと思うから気を使わないといけない。申し訳なくなると絶望しそうになるが、焦らなくても人はすぐに死ぬ。あと少しだけ、今まで受けた借りを返せばいいだけだ。
  12. そうこうするうちにも助けてください、という男の子からの訴えが聞こえ始めた。夜、緊急出動の予定になった。飲めないな、今日は。それにしても俺様の怖さをまだ理解していない奴がいるとは舐められたものだ。集団で弱い者を苛める奴は三倍にして叩きのめしてやる。
  13. つまらない人生だが出動の時だけ絶望を忘れることができる。酔っている時と詩を美しく誤読している時と、音楽にラリっている時も、失望から離れていられる。
  14. 夕方海沿に北上する時に、青みが入った灰色の海が強風に逆巻いているのを見た。三笠の船体の色と同じであるのに気づいた。だから自分はここにいるのか。アドミラル東郷の船上に生まれ変わって、飛び散って二度と生まれ変わらない、というのが今なんとなくの望みである。

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