- 眼底検査のために電車で市内に向かう。運賃が高いのでうんざりである。ディーゼル車が轟音のアイドリングで停まっている。その屋根越しに床屋に行っていない誰かさんの頭のような竹藪が見える。面倒くさい。むしゃくしゃするから飲み屋を一軒開拓して来る、ついでに。
- 特急しかないのでゆっくり座っていたら条件反射で眠くなってきた。駄目だ、折角金を払っているんだから景色を見ろ、とケチくさく自分に命じる。海を見るんだ、イルカが丁度飛ぶかもしれないぞ。
- 街が見えてきた。やはり自分はこの街に拒まれている、とふと直感した。小さな海水浴場が目の前を飛びすぎ、箒のように剥げた枯れた木が打ち上げられている。
- 飲み過ぎて体調が悪い。2軒開拓したが喋りすぎた翌朝の暗い気分が辛い。心をフラットにして生きていくことができない自分がもどかしい。台風が近くにいるらしく、空気全体が動くような風が吹いている。
- 暗い夜道を駅まで歩いている時に降灰が来た。ザーザーと雨のように傘を叩いている。砂まみれになることで、何となく生きている実感が生じて元気が出てきた。自分はこの路上で誰にも頼らずに独りで生きていく、という決心のような気分。
- 暗い気分に支配され、午後は困った人にからまれ胃を壊すくらいに怒った一日。体調悪い。だがスタッフからは沢山智慧を出してもらい、意欲に溢れた若人に指示を出し、不謹慎だが美しい女性と語りその目を見つめる小一時間もあったわけで、何はともあれ今日が人生の最善の日だったとも言える。
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